「ドラッカー365の金言」の名言を分かりやすく解説

「ドラッカー365の金言」の名言を分かりやすく解説

こんばんは、相原です。

ドラッカーというとビジネスにおいて
様々な名言を残しています。

それが「ドラッカー365の金言」という本には
まとまっているのですが、それでもお店の経営に使えるのは一部です。

そこで「ドラッカー365の金言」の中から
さらに名言を厳選し、それを分かりやすく解説していきます。

ドラッカー名言1

二つの言葉が、あるべき組織の精神を要約する。一つはアンドリュー・カーネギーの墓碑銘「己よりも優れた者の助けを得る技を知れる者、ここに眠る」。もう 一つは身体障害者雇用促進キャンペーンのスローガン「重要なことは、できないことではなく、できることである」である。その良い例が第二次大戦中、ルーズ ウェルト大統領の特別顧問を務めたハリー・ホプキンズだった。当時、瀕死の病におかされていた彼は、歩くことさえ苦痛で、一日おきに数時間働くのがやっと だった。そのため、重要なこと以外はすべて整理せざるをえなかった。しかし彼は、仕事情の成果を少しも損なわなかった。それどころか、チャーチルが「核心 の大家」と呼んだように、戦時中のワシントンにおいて、誰よりも多くのことを成し遂げた。ルーズウェルトもまた、ホプキンズの類のない貢献を得るために、 あらゆる既成のルールを無視した。
(現代の経営、経営者の条件)

解釈

お店を経営するに当たって、できないことに目を向けるのではなく
できることに目を向けて、それを強みに活かすことが重要なのです。

また、自分にできないことは、自分よりも優れた人の力を借りて
問題を解決するほうが圧倒的に楽に問題が解決できるということです。

できる限り経営者は、重要な仕事だけに取り組み
それ以外の仕事は他人に任せてしまったほうがより効果的な仕事ができるということです。

ドラッカー名言2

個人にとっては、社会的な位置づけと役割がなければ、社会は存在しないも同然である。個人と社会との間には機能上、明確な関係がなければならない。位置づ けと役割を持たないものにとって、社会は不合理に満ち、計算できず、捉えどころのない存在である。位置づけと役割を持たなければ、見捨てられし者、根無し 草である。彼らの目に社会は見えない。半分しか見えず、半分しか意味がなく、半分しか光が当たっていないという予測不能の魔物たちが見えるにすぎない。自 らの意思によっては、生活とその糧さえどうすることもできない。理解することもできない。なじみのない部屋で、目隠しされ、ルールを知らないゲームをさせ られているようなものである。
(産業人の未来)

解釈

お店の経営する場合でも、
社会に対してどういった位置づけで役割を持っているのか
というのをしっかりと認識するようにする。

いわゆるポジショニングを明確にしようという話。

どういったお店なのかというのを
社会に役に立つ形で明確にする必要がある。

そのための第一歩としては
「お客さんにとってどんな役に立つお店なのか」
を明確にすることですね。

ドラッカー名言3

社会にとって良いことを企業にとって良いことにするためには、懸命な仕事、優れたマネジメント、高度の責任感、大きなビジョンが必要である。それは完全を 追求することである。その実現には、鉄を金に変える賢者の意思が必要である。マネジメントが社会のリーダー的存在のためには、この原則を行動の原理とし、 意識して遵守し、現実に実行していかなければならない。なぜなら、優れた社会、徳ある社会、永続する社会は、私人の徳を社会の福利の基礎とした時、実現さ れるからである。リーダー的存在であるためには、公共の利益が自らの利益を決定するといえなければならない。この核心だけが、リーダーとしての唯一の正統 性の根拠である。これを実現することが、リーダーとして第一の責務である。
(現代の経営)

解釈

優れた社会を作るためには、私人による社会の貢献が必要になる。

そのため優れた社会のリーダーになるためには
社会貢献の意思が必要不可欠な条件となる。

そのために懸命な仕事、優れたマネジメント
高度の責任感、大きなビジョンを使って、公共の利益となることをやる。

そして、その結果として利益が出るという形にするようにお店を経営する。

ドラッカー名言4

今日の社会と組織では、ますます多くの人が、技能ではなく知能によって働く。知識と技能には基本的な違いがある。技能はあまり変化しない。知識は変化す る。自らを陳腐化させる。しかも急速に陳腐化させる。三年、四年、ごとに学校に戻らなければ時代遅れになる。これは、若い頃習得した知識、技能、経験では 不十分になるということである。人は変化していかなければならない。新しい欲求、能力、世界観を持たなければならない。自らを再生させていかなければなら ない。ここでは、活性化ではなく、あえて再生という言葉を使いたい。50年も働くことが当たり前のこととなったからには、自らを再生することが不可欠とな る。たんに活力を得ることを越え、新しい自分を作らなければならない。
(創生の時)

解釈

今の時代は情報化社会となり、
社会の進化スピードは加速度的になっている。

そして、あっという間に昔の知識は古くなって使えなくなる。

そのため日々勉強をして、
新しい自分になる努力を続けることが大切である。

ドラッカー名言5

今日の新しい現実は、左翼の世界観とも右翼の世界観とも一致しない。周知のいかなることとも一致しない。それは、いかなる政治理念が考えている現実とも異 なる。それらのものが、かくあるべしと考えるものとも異なる。そして今日、最も危険な最大の乱気流は、政府、企業、労働組合のリーダーたちが抱く幻想と現 実のギャップから生じている。しかし、乱気流の時代は、新しい現実を理解し、受け入れ、利用するものにとっては大きな機会となる。したがって、変わること のない課題は、企業において意思決定を行う人たちに新しい現実を直視させ、通年に負けることなく、まもなく迷信となる昨日の現実から脱却させることであ る。乱気流時代のマネジメントとは、新しい現実を直視することである。それは数年前の常識ではなく、今日の世界はどうなっているかとの問いからスタートす ることである。
(乱気流時代の経営)

解釈

激動の時代だからこそ、過去にとらわれないようにする。

昔成功した方法で、今も成功できるわけではない。

しっかりと現実を見て、
今の社会がどうなっているのか
を見極めるところから経営をスタートさせる

ドラッカー名言6

組織は、チェンジ・リーダーとして組織されるほど、継続性を確立し、変革と継続を両立させなければならない。そのための一つの方法が、変革のためのパート ナーシップを継続性の基礎にすることである。変革と継続の両立には、情報への不断の取り組みが必要である。情報の不足と信頼性の欠如ほど、継続性を損ない 関係を傷つけるものはない。したがってあらゆる組織があらゆる変化について誰に知らせるかを考えなければならない。このことは、協力して働く者がIT機器 を通じて別々の場所で働く時代にあっては、特に重要である。使命、価値、成果の定義など組織の基本にかかわることについては、継続性が不可欠である。変革 と継続の両立を報酬、認知、報奨のシステムに取り組まなければならない。継続性に報いなければならない。もっぱら継続的な変革を行う者も、変革を行うイノ ベーターと同じように、認知と報奨に値する者として評価しなければならない。
(明日を支配するもの)

解釈

お店の経営を続けるためには、
変革と継続が重要になってくる。

そのためには、情報収集を行うことがキーポイントになってくる。

特に使命、価値、成果については
時代によって変わるので、情報収集をして
適切な使命、価値、成果を決めるように心がける。

そうすることで、長年続くお店になる。

ドラッカー名言7

変化はコントロールできない。できるのは、変化の先頭に立つことだけである。今日のような乱気流の時代にあっては、変化が常態である。変化はリスクに満 ち、楽ではない。悪戦苦闘を強いられる。だが、変化の先頭に立たない限り、生き残ることはできない。急激な構造変化の時代を生き残れるのは、チェンジリー ダーとなるものだけである。チェンジリーダーとなるためには、変化を脅威ではなく、チャンスとして捉えなければならない。変化を探し、本物の変化を見分 け、それらを意味あるものとして利用しなければならない。自ら未来を作ることにはリスクが伴う。しかし、自ら未来を作ろうとしないことのほうがリスクが大 きい。成功するとは限らない。だが、自ら未来をつくろうとせずに成功することはない。
(「明日を支配するもの」「ネクスト・ソサエティ」)

解釈

時代の変化はコントロールすることができないし
変化に対応することは楽ではなく、とても大変である。

しかし、その変化に対応できなければ成功はない。

そこで変化はチャンスと捉え
自分の力で未来を作ろうとすることが大事。

そこにはリスクが伴うが、
自分で未来を作ろうとしなければ成功はない。

ドラッカー名言8

企業とは何かを理解するには、その目的から考えなければならない。目的は企業の外にある。企業が社会の機関であるからには、その目的は社会に求めなければ ならない。企業の目的として有効な定義はただ一つである。顧客の創造である。顧客が事業の土台として事業の存在を支える。顧客だけが雇用を創出する。社会 が企業に意識を託しているのは、その顧客に財とサービスを供給させるためである。目的が顧客の創造であることから、企業には二つの基本的な機能が存在す る。マーケティングとイノベーションである。この二つの機能こそ、まさに起業家的機能である。
(現代の経営)

解釈

ビジネスの目的は「顧客の創造である」

これは有名な言葉ですが、個人的には
顧客のニーズを満たすのではなく、ウォンツを満たすことが
顧客の創造にあたると思っています。

そのためにマーケティングとイノベーションを行い
お客さん自身分かっていない悩みをこちらが見つけ
提供してあげることが、ビジネスの本来の目的である。

だからこそ、お客さんを対話して隠れた悩みを見つけて、
その悩みを解決することができる商品を提供するようなビジネスを作る

ドラッカー名言9

リーダーと普通の人たちとの差は一定である。リーダーの仕事ぶりが高ければ、他の人の仕事ぶりも高くなる。集団全体の仕事ぶりをあげるよりも、リーダー一 人の仕事ぶりをあげるほうが優しい。したがって、リーダーの地位、すなわち標準を設定し基準を定める地位には、基準となるべき仕事を行うことのできる強み を持つ人を付けなければならない。そのためには、その人がもつ最大の強みに焦点を合わせ、その強みの発揮の妨げとならない限り、弱みは関係ないものとして 無視しなければならない。重要なことは、人を変えることではない。人の持つあらゆる強み、活力、意欲を動員し、そうすることによって全体の能力を増大させ ることである。
(経営者の条件)

解釈

仕事のパフォーマンスを高めたければ
まずはリーダーのパフォーマンスを高めるようにする。

このときできる限り強みが発揮されるような形で
チームを作ることで、全体の能力を高めることができる。

ドラッカー名言10

資本コスト以上の利益を上げられない企業は、社会的に無責任である。社会の諸資源を浪費している。利益とは、それがなければ他のいかなる責任も果たせず、よ き雇用者にも、よき市民にも、よき隣人にもなれないというものである。だが、経済的な成果だけが企業の唯一の責任ではない。同じように、教育上の成果だけ が学校の唯一の責任ではない。医療上の成果だけが病院の唯一の責任ではない。組織なるものは、従業員、環境、顧客、その他何者に対してであれ、自らがかか わりを持つあらゆるものに対して与えるインパクトについて責任がある。それが組織の社会的責任である。加えて社会は社会の病そのものに取り組むことも求め る。ただし、この点に関しては慎重でなければならない。意図がよくとも社会的責任を果たしたことにはならない。本来の目的を遂行する能力を傷つけるような 責任を受け入れたり、買って出たりすることとは無責任である。能力のない分野で行動することも無責任である。
(未来への決断)

解釈

利益を出さないお店は社会的に無責任である。

利益がないことには、何も成すことができない。

しっかりと利益を出した上で
何をやるかが経営者の腕の見せ所。

お店にかかわるすべての人に対して責任があるからこそ、
自分の強みが発揮される分野に力を注ごう。

ドラッカー名言11

西洋の基本公理では、倫理すなわち個々人の道徳は、王子にも乞食にも、富者にも貧者にも強者にも弱者にも同じように適用されるとする。キリスト教の伝統に おいては、倫理とは平等性の確認である。神、自然、社会のいずれを創造主としようが関係はない。適用すべき倫理は一つ、道徳は一つ、行動基準は一つであ る。しかるに企業倫理はこの基本公理を否定する。したがって企業倫理なるものは、西洋の哲学と神学という倫理ではない。今日のいわゆる企業倫理論は、いか なる理想からか、倫理にかかわる一般のルールは企業に適用されないとする。それでは企業倫理とは何か?
(すでに起こった未来)

解釈

本来倫理や道徳というのは、すべてに共通するものである。

しかし、多くのお店の倫理はそれが適応されていない。

だからこそ、一般的な倫理や道徳に基づいてお店を経営することが大事。

ドラッカー名言12

仕事の定義がもたらす成果を明らかにする。しかし、何を成果とすべきかの答えは複数ありうる。デパートの場合、買い物一回当たりの売上も正しいし、リピー ト率も正しい。知識労働の生産性の向上には、あげるべき成果を明らかにすることが必要である。見方は分かれて当然である。リスクもともなう。しかも、知識 労働者自身の目的と組織の目的が一致しなければならない。買い物一回当たりの売上とリピート率のいずれを成果とするかは、それぞれのデパートのマネジメン トが決定することである。知識組織においては、この種の決定が変わることのない重要な問題となる。
(明日を支配するもの)

解釈

仕事において、何を成果にするかを明確に決める。

そうすることで、お店の成果と従業員にとっての成果が一致するようになる。

何を成果にするかで、仕事の内容が変わってくるので
しっかりと成果を決めるようにする。

ドラッカー名言13

10年、15年にわたって有能だった人が、なぜ急に無能になるのか。私が見てきたかぎり、原因は、それらの例のほとんどにおいて、昇進した人が前任務で成 功したこと、昇進をもたらしてくれたことを新しい任務においても行い続けることにある。その挙句、無能な仕事しかできなくなる。正確には、無能になるので はなく、単に間違ったことを行うために無能な仕事しかできなくなるのである。新しい任務を行ううえで必要なことは、卓越した知識と才能ではない。それは新 しい任務が要求するもの、新しい挑戦、仕事、課題において致命的に重要なものへの集中である。
(創生の時)

解釈

長い間、続いていたお店なのに
急に売上が下がってしまう大きな理由は
過去の成功にとらわれていることである。

成功法則は時代によって変化する。

過去の成功はすっぱりと忘れて
今の時代にあった仕事をするように心がける。

ドラッカー名言14

自らの強みと仕事の仕方があわないことはあまりない。両者は相乗的である。ところが、強みと価値観が合わないことは珍しくない。よくできることと価値観が 合わない。世の中に貢献していると実感がわかず、人生、あるいはその一部を割くに値しないと思える。私自身、成功していたことと価値観の違いに悩んだこと がある。1930年代の半ば、私はロンドンの投資銀行で順風満帆に仕事をしていた。強みを発揮していた。しかし、私にとって価値あるものは、金ではなく人 だった。金持ちになることに私は価値を見出せなかった。大恐慌のさなかにあって、たくわえがあるわけでも他に職の見通しがあるわけでもなかった。だが、私 は辞めた。それは正しい行動だった。つまるところ、優先すべきは価値のほうである。
(明日を支配するもの)

解釈

自分の強みが活かされるからといって
必ずしもやりがいのある仕事になるとは限らない。

そのときには違和感を大事にして
自分の価値観に合うようにお店の経営の仕方を変えるほうが
充実した人生になりやすい。

自分の強みやお金などの表面的なものではなく
自分の心や価値観などの本質的なものを大事にしよう

ドラッカー名言15

知的労働者を惹きつけ留まってもらうことが、人事の中心課題となった。ここにおいて何が役に立たないかは明らかである。金で釣ることである。アメリカでは この10年20年というもの、多くの企業が知識労働者を惹きつけ留めておくためにボーナスとストックオプションを使ってきた。そして、失敗してきた。業績 が悪化すればボーナスは減り、株価が下がればストックオプションに意味がなくなる。そのとき、本人もその配偶者も裏切られたことを知る。知識労働者にとっ ても報酬は大事である。報酬の不満は意欲をそぐ。しかし、意欲の源泉は別のところにある。知識労働者はいつでも辞められることを知っている。働く場を変わ る能力を持ち、自信を持つ。したがって、ボランティアのように扱い、マネジメントしなければならない。知識労働者にとって重要なことは第一に、組織が何を しようとしており、どこへ行こうとしているかである。第二に、責任を与えられ、かつ自己実現することである。そのためには適した仕事に配置されることであ る。第三に、継続学習と継続訓練の機会を持つことである。第四に敬意を払われることである。特に自らの専門知識が敬意を払われることである、第五にその専 門分野では自らが決定を行うことである。
(ネクスト・ソサエティ)

解釈

優秀な人をお金で引き止めておくことはできない。

優秀な人が留まるのは、仕事のやりがいが重要である。

そのために

1.どんなお店を目指しているのか
2.権限と責任を与え自由にできる環境を与える
3.継続的に成長できる環境を整える
4.敬意を払う

この4つのポイントが重要である。

ドラッカー名言16

事業の定義の変革に成功したCEOが多い。それまで高収益の高価な医薬品を集中して成功していたメルク社のCEOは、大衆薬の流通会社を買収することに よって、事業の定義の変革に成功した。そのCEOは、前の定義でうまくいっているときに、その変革を行った。われわれは、奇跡を起こす人に頼って陳腐化し た事業の見直しを行うことはできない。実際に奇跡を起こした人たち自身が、カリスマ性や未来予測の類を強く否定している。彼らは診断と分析から始める。彼 らは、目標の達成と急速な成長には、事業の定義の見直しが不可欠なことを知っている。予期せぬ失敗を部下の能力や事故のせいにせず、システムの欠陥の兆候 と見る。予期せぬ成功を自らの手柄とせず、自らの前提に変化が生じていると見る。彼らは、事業の定義の陳腐化は、新構成の病しかも生命にかかわる病と見 る。彼らは外科医の昔からの原理すなわち決断の原理を知っている。それは進行性の病は先延ばししても治らない、思い切った措置が必要であるという原理であ る。
(未来への決断)

解釈

目標を達成するためには、事業の定義の見直しが必要不可欠である。

うまくいっているときこそ、その成功に頼るのではなく
新しいチャレンジをすることで、ビジネスの更なるステージアップに繋がる。

ドラッカー名言17

変化を成功に結びつけるための最善の方法が、成功の追及である。もちろん問題を無視してはならない。深刻な問題には真剣に対処する必要がある。しかし、 チェンジ・リーダーとなるためには、機会に焦点をあわせなければならない。問題を餓死させ、機会を太らせなければならない。そのためには、小さな、しかし 根本的な変更が必要である。問題を列挙したこれまでの月例報告の最初のページの前に、新しい第一ページを加える。売上にせよ、利益にせよ、予想以上に成果 を挙げた分野に焦点を合わせたページである。そして、問題の検討に投じていたのと同じだけの時間をそれらの新しい機械の検討に割く。チェンジ・リーダーと なるためには、機会に人材を割り当てることが必要である。そのための確実な方法の一つが、一方で機会を列挙し、一方で有名な人材を列挙することである。機 会の重要な順にそれらの有能な人材を割り当てていく。その良い例がソニーだった。同社はこれまで大小とりまぜ、成功の上に成功を重ねることによって多様な 事業で世界のリーダーとなってきた。
(明日を支配するもの)

解釈

お店を変化させる時に成功させるには
小さな成功を見逃さないことである。

変化をするために試行錯誤を繰り返していく中で
時には問題も発生するが、それよりも大事なのは小さな成功。

うまくいったところには、さらに人材やお金を投資して
その成功を大きなものに変えていく。

そうすることで、お店に良い変化をもたらすことができる。

ドラッカー名言18

マーケティングの重要性が繰り返し口説かれているにもかかわらず、あまりに多くの企業でマーケティングが行われていない。そのことを消費者運動が示してい る。消費者運動が企業に要求しているものがマーケティングである。それは企業に対し、顧客にとってのニーズ、現実、価値からスタートせよと要求する。企業 の目的は欲求の満足であると定義せよと要求する。社員の評価基準を顧客への貢献におけと要求する。マーケティングが長い間説かれてきたにもかかわらず、消 費者運動が強力な大衆運動として出てきたということは、結局のところ、マーケティングが実践されてこなかったということである。消費者運動はマーケティン グの恥である。実のところ、販売とマーケティングは正反対である。同じ意味でないことはもちろん、補い合う部分さえない。何らかの販売は必要である。だ が、マーケティングの理想は販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、顧客に製品とサービスを合わせ、おのずから売れる ようにすることである。すぐにでも買えるようにすることである。まだ道は遠い。しかし、消費者運動は、マネジメントが旨とすべきは販売よりもマーケティン グであるべきことを教えている。
(マネジメントー課題、組織、実践)

解釈

販売とマーケティングは別物である。
マーケティングで最も重要なのは
お客さんにとってのニーズ、現実、価値から始めること。

マーケティングで目指すべき理想は
こちらが売り込まなくても、自然と売れること。

そうすれば、商品を置いておくだけで売上が伸びていく

だからこそ、しっかりとマーケティングをやろう。

ドラッカー名言19

自らの製品、サービス、プロセスが自ら陳腐化させることが、誰かに陳腐化させられることを防ぐ唯一の方法である。昔からこのことを理解し受け入れてきた企 業がデュポンだった。同社は1938年にナイロンを世に出したとき、直ちに、これと競争できる新しい合成繊維の研究にとりかかった。同時に、価格を下げ、 同社の特許を迂回することの魅力を小さくした。これこそ、なぜデュポンが今なお世界一の合成繊維メーカーの地位を占めているが、また、なぜ同社のナイロン が依然として売れ続け、かつ利益をあげているのかの理由である。
(未来企業)

解釈

お店の売りや商品はそのままではいつか必ず陳腐化する。

ライバル店の出現によって、売りや商品が陳腐化させられる前に
新しい売りや商品を作っていく。

そうやって、今あるものを自分で陳腐化させることができれば
常にお店の売上は伸び続ける。

ドラッカー名言20

成功は常にその成功をもたらした行動を陳腐化する。新しい現実を作り出す。新しい問題を作り出す。成功しているマネジメントが事業は何かを問い直すことは 容易でない。議論の余地はないとする。けちをつけることを好まず、ボートを揺らすことを好まない。しかし、成功している時に自らの事業を問わないマネジメ ントは、つまるところ傲慢であって、怠慢である。成功が失敗に変わる日は近い。1920年代にアメリカで最も繁栄していた産業が炭鉱と鉄道だった。いずれ も、神が独占を与えてくれたものと考えていた。事業が何かはあまり明白であって、考える必要もないと思っていた。
(マネジメントー課題、組織、実践)

解釈

成功している時は傲慢で怠慢になりやすい。

しかし、その状態でビジネスをしていては
今のお店の現状を正しく見ることができない。

そうしているうちにだんだんとお客さんとのズレが生じ
お客さんが離れ、売上が下がってしまう。

成功している時でも、驕らずに
「もっとお客さんを喜ばせるにはどうすればいいか?」
を考えるようにする。

ドラッカー名言21

三人の石切り工の話がある。何をしているかを聞かれて、それぞれが「暮らしを立てる」「石切りの仕事をしている」「教会を建てている」と答えた。第三の男 こそ、真のマネージャーである。第一の男は、仕事で何を得ようとしているかを知っており、事実それを得ている。一日の報酬に対し一日の仕事をする。だが、 マネージャーではない。将来もマネージャーにはならない。問題は第二の男である。熟練した専門能力は不可欠である。たしかに組織は、最高の技能を要求しな ければ二流の存在になる。しかし、スペシャリストは、たんに意思を磨き脚柱を集めているにすぎなくとも、重大なことをしていると錯覚しがちである。専門能 力の重要性は強調しなければならない。だが、それは全体のニーズとの関連においてでなければならない。
(マネジメントー課題、組織、実践)

解釈

高いスキルがあるからといって
高い経営能力があるとは限らない。

一流の仕事をするためには高いスキルが必要だけれど
そのスキルを活かすためには
適切な場面で適切な使い方をする必要がある。

自分のスキルや従業員のスキルを
最大限活かすにはどうすればいいかを
考えるのが、経営者の仕事である。

ドラッカー名言22

何が受け入れられやすいかでなく、何が正しいかからスタートしなければならない。誰が正しいかなどは論外である。そもそも何が正しいかを知らなければ、正 しい妥協と間違った妥協の区別がつかない。妥協には二種類ある。一つは古い諺の「半切れのパンでも、ないよりはまし」であり、もう一つはソロモンの王の裁 きの「半分の赤ん坊は奪われるよりも悪い」である。前者では、半分は目的を満足させる。パンの目的は食用であり、手にした半切れのパンは食用となる。だが 後者では、半分は目的を満足させない。それは命あるものとしての子供の半分ではない。死骸の半分にすぎない。
(経営者の条件)

解釈

損得よりもまずは善悪を考える。

何が正しいかを決めることで、
あなたのビジネスに一本芯が通り
ぶれずに経営をすることができる。

ドラッカー名言23

正しい問題提起を行うにはどうすればよいか。そもそも何についての問題か、何が問題か、何が大事かを考えることである。何も新しいことではない。しかし、 正しい問題提起には不可欠である。問題はあらゆる角度から見なければならない。必ず事実と照らし合わせなければならない。すべてを包含しなければ、正しい 問題提起とはいえない。だが、ひとたび正しい問題提起を得るならば問題は容易である。
(経営者の条件)

解釈

問題を表面的に捉えるのではなく
本質的な問題に目を向けるように心がける。

問題提起を間違うと、
いつまで経っても似たような問題に悩まされることになる。

だからこそ、あらゆる角度から問題を捉えて
正しい問題点を見つけるようにする。

問題点さえ分かれば、問題を解決するのは
それほど難しいことではない。

ドラッカー名言24

私が指示するのは自由経済主義である。さほどうまく機能しているわけではないが、他よりはましである。資本主義に対しては重大な疑念を抱いている。経済を 最終目的として偶像化している。あまりに一元的である。例えば、私はアメリカの経営者に対し、組織内の所得格差を20倍以上にするなと何度もいってきた。 これを越えると憤りとしらけが蔓延する。経営陣が大金を懐に入れつつレイオフを行うことは、社会的にも道義的にも許されない。そのような行為が組織にもた らす憤りとしらけは、必ず高いつけとなって返ってくる。要するに、人間として生き、人間として遇されるということの意味は、資本主義の金銭的な計算では表 せない。金銭などという近視眼的な基準が、人生の生活の全局面を支配するなどということは許されざることである。
(ネクスト・ソサエティ)

解釈

お店の利益がたくさん出たからといって
自分の収入ばかりを増やしてはいけない。

お金は従業員皆で稼いだものだからこそ、
従業員にもしっかりと還元する。

目先の欲にとらわれるのではなく
もっと長期的にお店が発展するように利益を使うようにしよう。

ドラッカー名言25

ほとんどの組織が一つの予算しか持たない。好況時は一律に増やし、不況時は一律に減らしている。だが、それでは未来を手にすることはできない。チェンジ リーダーたるには二つの予算が必要である。その一つが現在の事業のための予算である。この予算は事業を継続する上で必要な最小限の規模を考える。しかも不 況時には規模を縮小する。しかし、チェンジ・リーダーたるには、未来のための予算をもたなければならない。この予算は、新事業が最大の成果を上げる上で必 要な規模がどれだけかを考える。この未来のための予算は、組織の存亡にかかわる非常時を除き、好不況にかかわらず一定に保たれる。
(明日を支配するもの)

解釈

稼いだお金をお店のために使うときには2種類ある。

1.お店を回すための予算
2.お店の発展のための予算

1はお店を継続する上で必要最低限あればよく
お店の経営状況が悪くなってきた時には、縮小できる。

しかし、2は今後お店を発展させたいのであれば
なるべく一定に保つようにする。

そうすることで、長く続くお店の土台を作ることに繋がる。

ドラッカー名言26

マネジメントには基本的な仕事が5つある。第一に目標を設定する。目標領域を決め、それぞれについて到達地点を決める。そのために行うべきことを決める。 連携する人たちのコミュニケーションによって、それらの目標を意味あるものにする。第二に、組織する。活動、決定、関係を分析し、仕事を分類する。分類し た仕事を活動に分割し、作業に分割する。それらの活動と作業を組織構造にまとめる。マネジメントを行うべきものを選ぶ。第三にチームを作る。そのために動 機付けを行い、コミュニケーションをはかる。第四に評価する。そのための尺度を定める。評価測定の尺度ほど、組織全体と一人ひとりの成果にとって重要な要 因はない。第五に自らを含めて人材を育成する。
(「マネジメントー課題、組織、実践」「未来への決断」)

解釈

マネジメントの仕事は5つある

1.目標設定
2.仕事をつくる
3.チームを作る
4.評価する
5.人材育成

ドラッカー名言27

目標が意図の表明に過ぎないのであれば、価値はない。目標は仕事に具体化しなければならない。仕事には具体的な成果、期限、担当がある。しかし、目標を拘 束衣にしてはならない。目標の使い方は、航空便の時刻表や飛行計画表と同じである。時刻表では午前9時ロサンゼルス発、午後5時ボストン着であっても、ボ ストンが吹雪ならば、ピッツバーグに着陸して転機が収まるのを待つ。飛行計画では高度三万フィート、デンバー経由であっても、乱気流にあえば5000 フィート上昇し、ミネアポリス経由に変える。目標は絶対の物ではなく、方向を示すものである、命令されるものではなく、自ら設定するものである。未来を決 めるものではなく、未来をつくるために資源とエネルギーを動員するためのものである。
(マネジメントー課題、組織、実践)

解釈

目標は漠然と掲げているだけでなく
どうやれば達成できるかまで具体化する。

ただし、目標はあくまで方向性なので
達成の仕方は柔軟に変えていくことが大事。

ドラッカー名言28

イノベーションの能力とは一見関係ないものを一つの全体として見る能力である。それは、生産的な新しい全体を生み出すために必要な、小さな欠落した部分を 発見し、その獲得に成功することである。イノベーションを実現させるためには、欠けているものは何か、成果を一変される一歩は何か、資源の能力を一変させ る小さな変化は何かを問わなければならない。ニーズを書き出すだけではニーズを満たしたことにはならない。しかしニーズを書き出して、はじめて望む成果を 得るための必要な条件を知ることができる。そして、それらの条件を満たせるかどうかを知ることができる。イノベーションとは、事業の潜在的な機会を発見 し、未来を築くためのものである。
(創造する経営者)

解釈

イノベーションを起こすためには
小さな変化を見逃さずに、ビジネスに取り入れることである。

大抵の人は関係がないと見逃してしまうことを
しっかりとキャッチし、それを活かすことができるようにする。

お客さんが潜在的に抱えている悩みを何か?
と常に考え、アンテナを張っておくことで気付きやすくなる。

 

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