近江商人の三方よし・商売十訓から学ぶ会社の存在意義

近江商人 三方よし

こんにちは、相原です。

今回は老舗講座の第6回目です。

前回は

日々節約をし、お客様の満足度を高めるために
お金を投資することが、自然とお店を発展させる方法である

という話をしました。覚えていますか?

記事はこちら

 

それで今回は老舗経営の極意の一つである

『「自利利他公私一如」の三方よし』

という考え方を紹介していきます。

  1. あなたの会社は何のために存在する?
  2. 近江商人の商業理念「三方よし」
  3. 器の大きな経営者になるための試練

1.あなたの会社は何のために存在する?

「あなたの会社は何のために存在するのですか?」

と聞かれて、あなたはどんな答えを出しますか?

ここまで老舗講座を勉強している方なら
簡単に分かると思います。

「自分が大金持ちになるため」

ではなく、

「お店とお客様が幸せになるため」

でもなく、

「お店とお客様と社会が幸せになるため」

というニュアンスが入った答えが理想だと。

 

中には「社会?」となった人がいるかもしれませんが
これは今までの教えをきちんと守れば自然と達成できるものです。

なので、何ら特別なことではないのですが
「お店とお客様が幸せになれば、周りは関係ない」と
考えてビジネスを行っている人がいるのも事実です。

そんなのは正しいビジネスではありません。

「お店」と「お客様」と「社会」の全てに
幸せをもたらすビジネスを作り上げましょう。

2.近江商人の商業理念「三方よし」

老舗が最も多くできた江戸時代には
三大商人が活躍したとされています。

それが

  • 伊勢商人
  • 大阪商人
  • 近江商人

この中でも注目してもらいたいのが「近江商人」です。

近江商人の商人理念に「三方よし」があります。

三方とは「お店」と「お客様」と「社会(世間)」ですね。

さらに近江商人には商売十訓と言って、
商うをする上での心構えもあります。

・近江商人の商売十訓

  1. 商売は世のため、人のための奉仕にして、利益はその当然の報酬なり。
  2. 店の大小よりも場所の良否。場所の良否よりも品の如何。
  3. 売る前のお世辞より売った後の奉仕。これこそ永遠の客をつくる。
  4. 資金の少なきを憂うなかれ。信用の足らざるを憂うべし。
  5. 無理に売るな。客の好むものも売るな。客のためになるものを売れ。
  6. 良きものを売るは善なり。良き品を広告して多く売ることはさらに善なり。
  7. 紙一枚でも景品はお客を喜ばせばる。つけてあげるもののないとき笑顔を景品にせよ。
  8. 正札を守れ。値引きは却って気持ちを悪くするくらいが落ちだ。
  9. 今日の損益を常に考えよ。今日の損益を明らかにしないでは寝につかぬ習慣にせよ。
  10. 商売には好況、不況はない。いずれにしても儲けねばならぬ。

 

どれも現代においても通用することばかりで
一つ一つ解説したいですが、
ここでは5番に注目してください。

5.無理に売るな。客の好むものも売るな。客のためになるものを売れ。

この発想が世の中のためのビジネスに繋がっているのです。

 

一般的なビジネス論だと、
「お客様が欲しがっているものを売りましょう」
と、よく言っていますよね。

でも、それでは世の中のためにならない場合があります。

少し極端な例になりますが、
お客様が麻薬を欲しがったとしても
麻薬を売ったらお客さんはダメになりますよね。

薬物中毒者が増えたら
社会が壊れてしまいますよね?

つまり、お客さんのためにならないものを売るのは
社会のためにもなりません。

例え儲かるとしても、売ってはいけないのです。

 

これは極端な例なので、
「そんなことやるわけがない」と思うでしょう。

けれど、

「縮毛矯正は必要ないのに施術していませんか?」
「余計なサブメニューを売りつけていませんか?」
「必要のない検査をしていませんか?」
「お客さんの手に余るような過剰なサービスを売っていませんか?

お客様に本当は必要がない商品を
「お客様は欲しがっているし、売上を増やせる」と
理由をつけて、自分を説得して売っている事はありませんか?

これらは近江商人的にはやってはいけないことです。

ギクリとした方。

できていないことを認めるのも一つの試練です。

本物の経営者であれば、誤りは認め
少しずつでも改善をしていきましょう。

3.器の大きな経営者になるための試練

社会性を取り入れるのは
最初はなかなかイメージしにくいと思います。

でも、お客様の本当にためになるものを提供すれば
自然と社会に貢献することができるのです。

例えば、美容室なら

お客様の髪の毛を切って、綺麗すれば自分に自信を持てますし
自然と笑顔も増えるでしょう。

自信があって笑顔が素敵な女性がいたら
周りにいる人もその人に感化されて、楽しく過ごせますよね?

感化された人たちが、さらに周りに影響を与えれば、
よりその影響度は広くなります。

相手をしたお客様はたった1人でも
1人が10人に影響を与え、
10人がさらに10人に影響を及ぼし100人
100人がさらに10人に影響を与えれば1000人…

と、より多くの人を良い方向に導くことができます。

 

こんなイメージを持つことで
社会に対して大きな影響を与えることができるのです。

これを意識すれば、自然と商品やサービスが変わります。

もう目の前のお客様しか意識しない器の小さい経営者ではなく、
日本社会、いや世界を変える意識を持った器の大きな経営者になりましょう。

まずはお客様の周りの人を変える意識まで持って
社会的に認められるお店を作りましょう。

まとめ

お店とお客様と社会の三方すべてに
メリットがあるようなビジネスをする

そんなビジネスをすることで
社会への影響度が広がり、より価値の高いお店になる。

 

次回は老舗の極意の総まとめとして

どんな時代でも商売を繁栄させる方法を紹介します。

【第7回】老舗に学ぶ経営哲学~どんな時代でも商売を繁栄させる経営者になろう~

 

 

 

 

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