こんにちは、相原です。
今回から7回に渡って老舗に学ぶ経営の極意を紹介します。
さっそく老舗の極意を紹介したいところですが
その前に、なぜ今老舗から学ぶ必要があるのかを説明します。
今の時代の変化から導き出した答えなので
時代の移り変わりを説明していきます。
勘の鋭い経営者なら、この説明を読むだけでも
多くの問題の原因が分かると思います。
まずはこの講座の概要動画を見てください。
1.今は時代を揺るがす変遷期
人類の歴史は、常に安定と不安定を繰り返して
前へと進んでいきます。
例えば、日本ではこんな感じの歴史が進んでいます。
不安定 | 安定 |
---|---|
大和朝廷 | 奈良・平安時代 |
戦国時代 | 江戸前期 |
江戸中期 | 江戸後期 |
明治維新 | 昭和 |
世界大戦 | バブル |
平成 |
今はバブル崩壊やリーマンショック
情報革命によって時代が大きく揺れ動いています。
変化のスピードも今までの比ではないので
少しの驕りや怠慢であっという間にお店が潰れてしまいます。
少し前までうまくいっていたのに
急に売上が減って、苦しくなるお店や企業も多いですね。
少しの油断が命取りとなる
不安定で嫌な時代なのが、現代なのです。
2.どんな時代の変化が起こっているのか?
今、世の中でどんな変化が起きているかを
一言で説明すると
「縦社会」から「横社会」への変化です。
高度経済成長期やバブルなどの安定期は、
「経営者の言うことは絶対」
「お医者さんの言うことは正しい」
「親の言うことを聞きなさい」
で、問題がありませんでした。
というのも、
安定した社会では、不確定要素が少ないので
前にうまくいったことを、真似すればいいのです。
嫌々ながらでも、上の言うことを聞いていれば
結果がついてきた時代です。
つまり、「縦社会」が繁栄をもたらしたのです。
また、ビジネスの観点から見ても
専門家(医者や美容師など)や店員の方が
より知識があるので、アドバイスに従います。
そのため商品も売りやすく、
お客さんとのコミュニケーションもとりやすかったでしょう。
「こうしてくださいね」と指示を出せば
素直に従ってくれました。
しかし、今は不安定な時代です。
不安定な時代だと、
あらゆるものが変化するので不確定要素が多く
以前と同じ手法ではうまくいきません。
そうすると、上の言うことを聞いても、失敗するのです。
さらに、今は誰でも簡単にあらゆる情報にアクセスできます。
インターネット上には膨大な情報があるので
専門家(医者や美容師など)や店員よりも詳しくなることもできます。
こういった要因が、
さらに上への不信感を加速させるのです。
「ネットでは、こう書いてあったけど
あの人の言っていることは本当なのか?
売りつけるために言っているんじゃないの?」
と、疑う人も少なくありません。
場合によっては
「あの店員は間違ったことを言っている」
と決め付けることもあります。
こんな風に疑われたら、商品は売りにくいですし、
お客さんとのコミュニケーションも取りにくいです。
このようにして、縦の関係は完全に崩壊しました。
その結果、上下関係がなくなり「横の関係」が築かれました。
横社会になると
経営者・医者・専門家などの権威、上司や先輩、親などの
上側の人の意見はネットの書き込みと同列に扱われます。
あくまで一つの意見でしかなくなるのです。
あなたがどんなに正しいことを言っていても
信じてもらえなければ、意味がありません。
経営者の多くは縦社会に生きていた人なので
この変化に戸惑うのは当然です。
なぜなら、昔は努力しないでも信じてもらえたからです。
しかし、昔のままではお店は潰れます。
時代が変わったら、
あなたもその変化に対応しなければいけません。
それで変化に対応するためには、
これからの時代の特徴を知る必要があります。
横社会で生き残るために
重要なポイントはたった一つです。
3.不安定な時代にお店に求められているものとは?
ここで別の視点から
縦社会と横社会の特徴をまとめます。
縦社会の場合は、カリスマ性の時代でした。
どれだけ普通の人とは違うのか、
いかに優れているか、というのがカリスマです。
カリスマ性があれば、お客さんに信用するので
人は集まりますし、商品も売れます。
カリスマ美容師なんて言うのも昔は多かったですよね。
このカリスマは
周りの人と「どれだけ離れるか」がポイントです。
それで横社会の場合は、縦社会とは全く逆で
「どれだけ離れるか」ではなく「どれだけ近づくか」が大切です。
横社会の場合は、魅力の時代です。
魅力を発揮するには
「購入された商品はいかがだったでしょうか?」
「何か悩んでいることありませんか?」
「問題が起きたらすぐに言ってくださいね」
という感じで、
こちらからお客さんに近づいていくことが大事なのです。
親身になってお客さんと接することで
肩書き、地位、権威などに関係なく信頼されるのです。
つまり、横社会では
「いかに肩書き、地位、権威などがなしで信頼されるか」
がビジネスの成功の秘訣なのです。
信頼されれば、商品は売れますし
お客さんとのコミュニケーションもスムーズになります。
はっきり言って、
信頼さえあれば、ビジネスはうまくいきます。
これは経営をされている人であれば
分かってもらえると思います。
そんな信頼を獲得するためには
老舗企業から学ぶのが最も有効です。
なぜなら老舗企業が長年経営できているのは
ひとえに信頼されているからです。
実は長年続くために必要な様々な心構えが
老舗には家訓として言い伝えられているのです。
僕は老舗に関するセミナーに出たり
書籍をたくさん読んだりと、老舗について研究した結果
老舗の経営には5つの極意があることを掴みました。
それがこの5つです。
- 「真の商人は先も立ち、我も立つことを思うなり」
- 職分の追及で才能を発揮する
- 正直は一生の宝
- 日本が世界に誇る「もったいない精神」
- 「自利利他公私一如」の三方よし
これらの心構えを持つことで
老舗と同じように信頼されるお店を作ることができます。
これからの時代は、下手に小細工するよりも
王道で攻め信頼を獲得するのがベストです。
王道の精神を手に入れるためにも
ぜひ老舗の極意を継承してください。
まとめ
時代は縦社会から横社会に変化している。
横社会では、魅力が重要で
そのために信頼を積み重ねる必要がある。
信頼を得るための心構えを
老舗から学ぶことが大切。
次回は老舗の極意の1つである
「真の商人は先も立ち、我も立つことを思うなり」
について、詳しく説明していきます。
- 【第1回】老舗に学ぶ経営哲学~不安定な世の中で生き残る方法~(今ココ)
- 【第2回】老舗に学ぶ経営哲学~石門心学 石田梅岩の商人道~
- 【第3回】老舗に学ぶ経営哲学~あなたの仕事の本質を見つける~
- 【第4回】老舗に学ぶ経営哲学~正直がビジネス成功の第一条件~
- 【第5回】老舗に学ぶ経営哲学~お金の循環で店と客が共に成長する~
- 【第6回】老舗に学ぶ経営哲学~お店とお客様と社会が幸せになる道~
- 【第7回】老舗に学ぶ経営哲学~どんな時代でも商売を繁栄させる経営者になろう~
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